今回のテーマは「自分の飛距離を固めるための練習」です。
自分の飛距離の把握は、ゴルフスコアをまとめるための土台になります。
最初に結論
自分の飛距離を定着させる練習
90切りのために不可欠な練習テーマとして、「番手別の自分の正直な飛距離を把握と定着」を行いましょう。
以下では、そのような練習の意味と方法について、見ていきたいと思います。
自分の正直な飛距離の把握と定着
飛距離を「伸ばす」のではなく「知る」
ラウンドの本番では、自分の飛距離についての正確な情報が役に立ちます。
この練習テーマの目的は、そのような飛距離を「知り」、そして「定着させる」ことです。決して飛距離を「伸ばす」ことではありません。
練習場で、各番手の飛距離を伸ばすことを目指す必要はありません。その主な理由は2つです。
理由の1つ目は、「飛距離を伸ばす練習」には大した効果がないからです。
仮に、私たちが一生懸命がんばって練習を重ね、7番アイアンの飛距離が10ヤード伸びたとしましょう。
これがスコアアップに役立つかと言えば、たった1打の得にすらならない可能性があります。
なぜなら、そんな練習をせずとも、私たちが6番アイアンを握れば、おそらくその距離が打てるからです。
理由の2つ目は、本番のラウンドでは、「遠くに飛ばせること」ではなく、「いつも同じ距離を打てること」と「正確な方向に打てること」の方がはるかにスコアアップに効いてくるからです。
上で触れた、7番アイアンの飛距離を10ヤード伸ばすための練習に費やす時間と労力を、正確な距離・方向に打てるための練習に使っていたらどうなるでしょうか。どちらが実際のラウンドで活きるかは明らかですね。
また、飛距離を追いかけようとすれば、力みのある無茶な振り方、もっとひどければマン振りの癖がついてしまう可能性もあります。
このような理由から、自分の飛距離を固める練習では、飛距離を「伸ばす」ことを目指す必要はないのです。
そんなことより、ひとつひとつの番手について、今の自分の飛距離を知ることが大切です。
ただし、練習を重ねる中でスイングが洗練されてきて、自然に飛距離が伸びるということはあるかもしれません。
その時は、進化した自分のスイングで、改めて「自分の飛距離」を調べなおすことにしましょう。
ちょっと寄り道①
にんゴルが目指すショット
にんゴルでは、90切りを目指す上でとても大切なことの一つが「まあまあ悪くない球が安定して簡単に打てるようになること」だと捉えていて、そのために、ショットはいつも6割の力で楽に打つことを提案しています。
今回のテーマは、「ショットの強さ」です。 「ショットの強さ」は、「スイングの方法」と同じくらい大切で、スコアに直結する要素です。 最初に結論 常に6割の力加減 グリーン周りのアプローチやパター以外のショットは全て[…]
「正直な飛距離」を知ろう
ここまでは、飛距離を「伸ばすため」ではなく「知るため」の練習が大切、というお話でした。
私たちが自分の飛距離を「知る」という際にも大事なことがあります。
それは、ありのまま、自分の正直な飛距離を受け止める、ということです。
「自分は飛距離が出せるんだ、飛ばせるんだ」と信じたい気持ちは誰にでもあると思います。忍三郎だってそうです。
しかし、自分自身に対して見栄を張り、マグレでしか出ない飛距離を「これが自分の飛距離だ」と信じ込んでも、何の得にもならないどころか、ラウンドの時に間違ったクラブ選択をしてしまうという悪影響があります。
ゴルファーは一人ひとり、身長・体重・筋力などの特徴が異なります。
飛ぶ人もいれば、あまり飛ばない人もいて当然です。飛ばせないから格好悪い、なんてことも全くありません。
ボールは遠くへ飛ばせずとも正確なショットで良いスコアを叩き出せるゴルファー、格好良いではありませんか。
自分の現状を受け入れる覚悟をして、自分の「正直な飛距離」を受け止めましょう。
これは簡単なようで難しいので、練習の時にしっかり意識することが大切です。
ちょっと寄り道②
距離計を活用しよう
いざ、練習場で自分の距離を把握しようにも、多くの練習場で、飛距離表示はあてになりません。
「100y」と書かれた看板が立ててあっても、後述の「レンジボール」の飛距離の短さを加味した数字なのかどうか、それ以前にそもそも正確な数字なのか等々、とにかくハッキリしません。
しかも、打席によってもその看板までの距離が違いますよね。
この悩みを「レーザー距離計」が解決してくれます。
練習場で、しっかり狙いを定めて、ボールを打って、レーザー距離計で結果を測定する。
これを繰り返すことで、自分の番手ごとの飛距離をばっちり把握し、更にどのくらい飛距離が「ばらつく」のかも頭に入れておくことができます。
「私はラウンドの時はGPS距離計を使うからなぁ~」という方は、練習用だと割り切って、安価なモデルの購入を考えてみてもいいかもしれません。
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ちょっと寄り道③
練習場のボールに注意
練習場では、日常的に大量のボールが使われて消耗していくということもあり、私たちが普段ラウンドで使うボール(=コースボール)とは違う、もっと安価なもの(=レンジボール)を使用しているところが大半です。
総じて、レンジボールの飛距離はコースボールより短いのです。
レンジボールには、「1ピース構造」と「2ピース構造」という代表的な2つの種類があり、「2ピース」の方が、コースボールに近い飛距離が出ます。
なので、自分の距離を「知る」ための練習を行う時は、少し単価は高くなるかもしれませんが、「2ピース構造」のボールを使っている練習場を選び、先ほどご紹介したレーザー距離計を使うなどして正確に自分の飛距離を計測して、データを取ることをおすすめします。
ただし、ドライバーやウッドなど、飛距離の大きなクラブは「2ピース構造」のボールで打っても、コースボールとの飛距離の差が出る時があります。
ラウンドの時に「なんか練習の時より飛んでる気がするな」と思ったら、ティーショットの前後で(仲間の迷惑にならない程度に)ささっとGPS距離計やレーザー距離計を使って飛距離を測り、自分のデータを補正するとよいでしょう。
ちょっと寄り道④
インドアゴルフもアリ
最近のインドアゴルフで使用されるシミュレーターは非常に精度が高く、キャリーやラン込みの飛距離に加え、スピン量などまで正確に計測できます。
飛距離の把握のための練習に、あえて屋内のシミュレーター施設を利用するというのも立派な選択肢です。
「飛距離を定着」させよう
自分の飛距離を把握できたら、これをいつでも再現できるように身体に覚え込ませましょう。
練習場で1球ずつ丁寧に打ちながら、同じ番手で打った時には同じ飛距離になるように、スイングの感覚を養っていきます。
ここで、繰り返しになりますが、にんゴルのお勧めは6割の力で打つことです。練習でもラウンド本番でも、いつも6割です。
全力ショットはスイングのコントロールが難しいので、ショットの「当たりハズレ」が大きくなり、打球が前後左右に大きくバラつきがちになってしまいます。
6割のショットを試してみれば、致命的なミスショットが減り、いつもだいたい同じくらいの距離に打てるようになるはずです。
また、この練習の時には、1球ごとにしっかりと自分のルーティーンを行いながらショットしていくと、練習の効率が一層高まります。練習でやっているショットをそのままラウンドでも発揮しやすくなるからです。
ショットのルーティーンについては、こちらでご紹介しています。
今回のテーマは「ショットのルーティン」です。 初心者・初級者の頃は、ゴルフ場の広いフィールドに立った途端、頭が真っ白になって何をしていいか分からなくなる…なんてことがあると思います。 そんな方々は、今回ご紹介する[…]
まとめ
- 90切りのために不可欠な練習テーマとして、番手別の自分の正直な飛距離を「把握」して「定着」させよう。