今回のテーマは「実戦のラウンドを想定したシミュレーション」を行う練習です。
最初に結論
ラウンド本番をプレーしているつもりで練習する
ゴルフスコア90切りのために役立つ重要な練習方法の一つは、練習場を本物のコースに見立て、ティーショットからグリーンオンまでを実際にプレーしているつもりで、1球ごとにクラブを持ち替えながら打っていく、というものです。
この練習にどんな意味があるのか、そしてそのやり方について、順番に見ていきましょう。
シミュレーションの大切さ
今回ご紹介する、ラウンドを想定したシミュレーション方式の練習の意味を一言で表すならば、本番のラウンドとなるべく近い条件と緊張感でボールを打つことに慣れ、ラウンドの時にもキチンと普段の練習通りの実力を発揮できるようにするということに尽きます。
練習とラウンドの大きな違い
例として、普段私たちが練習場でドライバーショットの練習をする時を想像してみましょう。何十球か打っているうちに「お、だんだん調子出てきたぞ♪」なんて思う時、ありますよね。
一方で、その日のドライバー練習の「1発目」にどれくらい意識を集中していますか?
多くの人が、最初の1球はあまり集中もせず、ウォーミングアップくらいの気持ちでパチンと打ってしまい、ちゃんと当たったかどうか、どちらの方向へ飛んでいったのか、まったく記憶に残っていないのではないでしょうか。
しかし、本番のラウンドでは、その「1発目」しか無いのです。
練習場で1球目が思い切り横に逸れ、同じクラブを握ったまま打った2球目が上手く打てたとしても、それが「本番のラウンド」において何を意味するかと言えば、「1打目がOBとなった後の打ち直しの3打目が上手く行った」に過ぎないのです。
2球目でようやく真っすぐ飛ぶことと、最初の1球目から綺麗に打てることの間には、天と地ほどの違いがあります。
練習場で出来ないことがラウンドで上手くいくワケがない!
ティーグラウンドでの1発勝負の緊張感。
グリーンオンを狙う時の緊張感。
あの感覚を、普段の練習の時からどれだけリアルに味わいながら練習するかによって、その練習の密度は全く変わってくるということです。
練習場のフラットな足場とライで、「空想のゴルフコース」を攻略できないにも関わらず、なぜか本番のラウンドだけはバッチリうまく行く・・・そんな都合のいいことが起こるはずはありませんよね。
だからこそ、普段からこの「シミュレーション型の練習」を意識的に行っておき、本番のラウンドの時に、「いつも練習しているとおりにやれば大丈夫だ」と思えるような準備をしておくことが大事なのです。
シミュレーションのやり方
なるべく広い練習場を選ぶ
この練習を行う時にまず大事なのは、練習場の広さです。
ラウンドを想定したシミュレーションを行う時は、極力広い練習場を選ぶのがおすすめです。自分のドライバーショットの飛距離や、左右に逸れた時にはそのズレ幅を見届けられるくらいの広さがあることが望ましいです。
前回紹介した「アプローチの練習」では、狭くてもいいので、手ごろな価格で1階席で打ち放題ができる練習場が望ましいということを書きましたが、今回の「ラウンド想定の練習」では優先するポイントが異なります。
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練習の目的に応じて、練習の場所を使い分けていくようにするのが効率的です。
コースをイメージする
練習場に立ったら、例えば「あそこからあそこまでがフェアウェイ、あそこはバンカー、左は林のOB、右はラフ」といった具合に、目の前の景色をゴルフコースに見立てます。これだけで、本当に練習の質が上がります。
普段、練習場では、なんとなく足元のマットのふちのラインを目印にしてなんとなくボールを打ち、ショットの結果もなんとなく受け入れる、ということを繰り返してしまいがちです。
実際に忍三郎も、長い間、そういう練習をだらだらをやってしまっていました。
しかし、コースを想像しながらショットを打つようにすると、1球1球、緊張感を持ってショットに臨むことができるようになり、上達速度が上がりました。
コースをイメージする時は、自分が回ったことのあるコースで記憶に残っているホールを思い出してみるのもいいですが、思い出すのが難しい時は、距離計測用のGPSアプリがとても役に立ちます。
そういうアプリの中には、ダウンロードしたゴルフコースの見取り図が表示できるものが結構あるので、その図を使ってコースをイメージすればいいわけです。
例えば右のようなホール(ちなみにこれはパー5のホール)を考える場合、このホールはティーショットが池越えで右が林のOBになっています。
なので、「ボールをフェアウェイ右側に運んだほうが二打目の進路が広く確保できるけど、OBのリスクが怖いので無理せず左側を狙っていこう」などとブツブツ言いながら、目の前の練習場の景色の「あそこからあそこまでを許容範囲(=フェアウェイ)だと思って打とう」と心に決めてショットに臨みます。
ティーショットからグリーンオンまで1球ごとにクラブを変えながら
この「ラウンド想定の練習」をする時は、全てのショットを1球勝負で評価していくことが大切で、そこに一番の意味があると言っても過言ではありません。
最初にドライバーを握り、1発勝負で「ティーショット」を打ちます。このショットが上手く行こうが行くまいが、ドライバーは一回手放して、打ったボールが自分の想像上のフェアウェイに落ちたのか、ラフやバンカーに入ったのか、残りの距離は何ヤードかなど、一打目の「結果」を自分で評価します。
そして、今度は自分の目の前に、二打目を打つ地点からの風景を想像して、クラブを選び、ショットに臨みます。この要領で、グリーンオンまで一打ごとにクラブを持ち替えながら、1球ずつ集中してプレーしていきます。
普段の練習時、私たちはついつい同じクラブで何十球も打ってしまいがちです。
その練習の目的が、自分のスイングや飛距離を安定させることなのであれば、それで問題ありません。
しかし、そのような練習方法「だけ」でスコアアップを目指すことは効率が悪いです。なぜなら、本番のラウンドでは「同じクラブで何十回も繰り返しショットする」という状況は絶対に発生しないからです。
「1球ごとにクラブを持ち替えながら打つ」という、ラウンド本番と同じ条件での練習は絶対にやっておくべきです。
時間をかけて1球ずつ真剣に
このタイプの練習を行う時、その質をどれだけ高くできるかは、どれだけ想像力を働かせられるかに懸かっています。
フェアウェイを右や左に外すとどんなハザードが待っているのか、バンカーはどこにあるのか、打ち上げなのか打ち下ろしなのか、グリーン上でピンはどこに切られているのかなど、自分がよりリアリティを感じられるように想像力を働かせましょう。
そうすることで、実際のラウンドの時にいろんな条件を考慮してショットを選択するための「頭の訓練」にもなります。
ラウンド本番と違って、練習の時は後ろの組を気にする必要もありません。ならば、1球ずつ贅沢に時間を使って、自分の打球の評価、置かれている状況の把握、そして次に打つべきショットの選択を行いましょう。
また、ショットの時には、毎回きちんと自分なりのルーティーンをこなした上でボールを打つようにしましょう。
練習の時からそうしておくことで、本番のラウンドの時にも練習の時と同じリズムでプレーできるようになり、練習で磨いた実力を発揮しやすくなります。
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このタイプの練習をすると、少ない球数でも結構疲れると思います(特に頭が疲れます)。その分だけ、質の高い練習ができているわけですね。そして何より、この練習はとても楽しいですよ。
まとめ
- 練習場を本物のコースに見立て、ティーショットからグリーンオンまでを実際にプレーしているつもりで、1球ごとにクラブを持ち替えながら打っていく練習をしよう。