今回のテーマは「コースマネジメント」です。
90切りに向けて、どういう意識で各ホールを攻略していけばいいのか、例とともに見ていきます。
最初に結論
「今の1打」ではなく「次の1打」を考える
90切りを達成するためのコースマネジメントで大切なことは、「目の前の1打」に夢中になるのではなく、「次の1打のために目の前の1打をどうするか」を考えることです。
無謀な1打は、以降のショットを台無しにしかねません。そうならないよう、丁寧に、次へ次へとショットをつないでいくのが、90切りのために役立つコースマネジメントです。
基本は「ボギーオン・2パット」を基準にした攻防
前回は、ラウンド全体としての戦略の考え方を扱いました。
ボギーペースの「ボギーオン・2パット」をベースにして、攻めるべき時に攻め、守るべき時に守り、上手くいったホールが悪かったホールよりも多くなるようにすることでスコア90を切る、という考え方でラウンドを進めて行きましょうというお話でした。「攻めどころ」と「守りどころ」の例も見ましたね。
今回のテーマは「ラウンド全体の戦略」です。 90切り達成のために、実際にラウンドをプレーする時、何を狙い、何を工夫し、何に気を付ければいいのか、その考え方の部分に注目していきます。 最初に結論 「ボギーオン・2パッ[…]
今回は、「ラウンド全体」ではなく「一つ一つのホールの攻略」に視点を切り替えて、「次の1打を考える」というのが具体的にどういうことなのか、90切りのためのマネジメントの考え方について見ていきます。
パー4のホールのマネジメント例
典型的なパー4のホールで「ボギーオン・2パット」のボギーを取る場合を例にとって、どんなことを考えながらプレーを進めていけばいいのか、ティーショットから順番に考えていきましょう。
1打目:飛ばす必要なし!トラブルから逃げまくろう!
ティーショットは、「守りの1打」です。
1打目に最も優先すべきことは、池やバンカー、OBなどをとにかく回避することです。
特に、OBは絶対避けたいところ。逃げまくりましょう。飛距離は二の次です。
そのため、にんゴルでは、ラウンド中は常に6割の力で楽にショットすることを提案しています。
なぜそうすべきなのか、6割の力で打つとどんないいことがあるのか、こちらでご説明しています。
今回のテーマは、「ショットの強さ」です。 「ショットの強さ」は、「スイングの方法」と同じくらい大切で、スコアに直結する要素です。 最初に結論 常に6割の力加減 グリーン周りのアプローチやパター以外のショットは全て[…]
ティーショットに限らず、アプローチとパター以外のあらゆるショットを6割の力で打って行きましょう。
2打目:次打のアプローチショットの準備
ショートアイアン以下で打てるくらい残り距離が短くて、バンカーや池のリスクが低く、「乗せられそうで乗せられそうで仕方ない」と思う場合は「攻め」です。パーオンを狙ってみましょう。
失敗しても痛くない状況なら、チャレンジしない手はありませんからね。
逆に、そうでない場合は「守り」です。
ハザードにつかまらないように慎重に前進して、3打目で少しでも楽にグリーンオンを狙える場所へボールを運ぶことに集中しましょう。
「楽にグリーンオンを狙える場所」の条件は、各ゴルファーの得手不得手にもよりますが、例えば、フェアウェイ上であること、ライがほぼフラットであること、グリーンまでの距離が自分の得意な距離であること、グリーンとの間にバンカーや池が無いこと、などです。
しっかりと安全な場所へボールを運ぶために、「エイミング」の技術が役に立ちます。
今回のテーマは、「ショットの狙いの定め方」です。 せっかく上手にスイングできても、狙いが悪ければゴルフは上手くいきませんから、狙いの定め方を知っておくことはとても大切です。 最初に結論 エイミングの癖を付ける に[…]
ここでは「守り」の1打を選ぶことになったと仮定して次へ進みましょう。
3打目:とにかくグリーンに乗せてパッティングへ進もう
2打目が上手くいったら、ボールの位置に立ち、グリーンを見てみましょう。
グリーンがすぐそこにあり、しかもバンカーに入ったりグリーンからこぼれたりする危険を伴うことなくピンを目指せそうだったら、「攻め」の1打を選びます。
少しでもピンに近づけるように狙ってアプローチし、寄せワンを狙いましょう。
逆に、グリーンまで数十ヤードの距離が残っていたり、グリーンの端にカップが切られていたりして、下手をするとグリーンにボールを残せないなという恐さを感じる時は、「守り」の意識が必要です。この場合、ピンのことは一回忘れて、グリーン中央を狙い、とにかくボールをグリーンに乗せることだけ考えましょう。
この「とにかく乗せる」をどんな状況でも遂行しやすくするために、にんゴルは、アプローチで使用するクラブをAW一本に絞り、失敗する可能性の低い2種類の打ち方をしっかり練習して身に着けることをおすすめしています。この方法がなぜおすすめなのか、どうやって打つのか、こちらでご紹介しています。
今回のテーマは「グリーン周りからのアプローチ」です。 グリーン周りのアプローチは、ゴルフをしていて特に楽しい瞬間の一つですね。 ただ、アプローチは、楽しいと同時に難しいショットでもあります。 今回は、そんな[…]
さて、ここでは、3打目もまた「守り」の1打になったものとしましょう。とりあえずグリーンには乗った、でも1パット決めるのは厳しい距離が残った状態で、4打目に進みます。
4打目:パターは距離感が命!しっかり寄せて、あわよくば沈める…!!
たとえ2打目と3打目が「守り」のショットになったとしても、ボギーオンにさえこぎつければ、パーのチャンスが残ります。そう、1パットでねじ込めばいいのです。
この1打は、「攻め」であると同時に「守り」でもあります。1パットで決めればパーで上がれますが、2パットで決めることも難しいような距離を残してしまうとダブルボギーの危険もあるからです。
しっかりカップに近づくような、そして、あわよくば沈めてしまえるようなパッティングが理想です。
そのために大切なことは、距離感を大きく間違えないことです。
距離感が合っていれば、カップから大きく逸れることはほぼありませんからね。
そして、しっかりとした再現性のある距離感でパッティングを行える方法としてにんゴルが推奨しているのは、「自分の『基本の振り幅』を用意しておき、それらをゴルフ場にあわせて使っていく」というやり方です。詳しくはこちらをご覧ください。
今回のテーマは、「パッティング」です。 わずか数センチのズレでカップを逃しただけでも+1打。パターの出来はスコアに直結します。 ゴルフ場や天候の違いに左右されず、いろんな状況下で通用するパターの打ち方についてご紹[…]
今回は、1パット目が惜しくも外れてしまったとしましょう。1~2歩分の距離が残った2パット目に臨みます。
5打目:ここが勝負の分かれ道!緊張感を楽しもう!
毎ホール、ここでの1打の積み重ねが、少しずつ90切りの命運を決めていきます。
ここをしっかり決めれば、そのホールはボギー。これを続けていればスコアは90ペースです。「90切り」への挑戦を続けていくことができます。
一方、ここを外すと、パー以内で上がるホールが多数必要になってきて、90切りはどんどん難しくなります。
緊張する1打ですね。
この緊張感を目一杯楽しみましょう。これによって、楽しいラウンドがきっと一層楽しいものになりますよ。
1ホールの流れをリアルにイメージして「見えてくること」
ここまで、90切りを目標とする場合の典型的なパー4のホールの流れとして、1打1打にどういう考え方と心持ちで臨むべきか、という例を見てきました。
この思考によって、見えてくることがいくつかあります。
まず、1打目から3打目まで、ひたすら安全策に徹しても、そのホールでパーをとるチャンス、そしてそのラウンドで90切りを果たすチャンスがあることが分かりますね。
そうだからこそ、1打目でOBを打つことがいかに勿体ないかということもお分かりいただけるのではないでしょうか。
制御できないようなフルスイングでOBを打つくらいなら、ドライバーを小さくコツンと打って、安全に120〜130ヤードでも確実に前進する方が遥かに上策です。
それからもう一つ、3打目でしっかりグリーンオンして、そこから2パットで上がれる技術がいかにスコアを左右するかということもハッキリしたと思います。にんゴルが、アプローチとパターの集中練習を推奨しているのはこのためです。
今回のテーマは「アプローチとパターの集中練習」です。 スコアアップと安定に欠かせないのが、この2つの技術です。 最初に結論 アプローチとパターを鍛える! 今回の結論はいつも以上にシンプル、タイトルの文字通りです。[…]
パー3でもパー5でも、考え方の根っこの部分は、今回見てきた例と同じです。
持っている技術は全く変わらなくても、頭の働かせ方ひとつでスコアは大きく変わります。
1つのホールを攻略する中で、それぞれの1打がどんな役割を持つのか、自分のショットの力量に見合った基本戦略を持っておき、本番のラウンドの中で、しっかりコースマネジメントを行なっていきましょう!
まとめ
- コースマネジメントで大切なことは、「目の前の1打」に夢中になるのではなく、「次の1打のために目の前の1打をどうするか」を考えること。
- 特に意識したいのは…
① ティーショットでは飛距離を捨ててでも、OBを打たないように集中する
② 2打目以降も無理にリスクを取って攻めない
- 思い描いた通りのコースマネジメントを「実現」させるために、アプローチとパターの練習が大切。