ゴルフの基本的マナー
【コースデビューする初心者用】

ゴルフのマナーは、ゴルフの腕前よりも大切と言ってもよいかもしれません。

マナーの良いゴルファーとのラウンドは、スコアに関係なく「楽しいラウンドだったな」、「またあの人と一緒に行きたいな」と思えるものです。

そこで今回は、初心者の方のためにゴルフの代表的なマナーをまとめてみました。

「たったこれだけ!ゴルフのマナーBEST 5!」みたい書き方が出来ればいいのですが、正直言ってそれでは情報不足になり、結果的に皆さんがラウンドで損をしたり嫌な思いをしたりということに繋がると思いましたので、なるべく広く書き出しました。

項目だけ暗記するよりも、納得した方が頭に残りやすいはずなので、それぞれの項目に理由や説明を付けています。

 

知っておきたいゴルフのマナー




完全個室スクール「ゴルフパフォーマンス」

ラウンド開始前

  • 時間を守る
    当たり前のようでとても大事なのが時間をきちんと守ることです。
    開始時刻に遅れると、同伴者はもちろん、その後ろの組の全てのプレイヤーに迷惑をかけることになります。
    時々、前の組が人数が少ない場合など、予定時刻よりも前にプレー開始可能になることもあります。
    自分一人がほんの少し時間にルーズだったせいで、自分たちの組のスタートがうんと後回しになってしまったり、ドタバタでプレーを開始して出だしからスコアを崩したり、というのは全員にとって不幸ですよね。
    ラウンドの日には早めにゴルフ場に到着し、スタート時刻よりも十分前もってティーグラウンドにスタンバイするようにしましょう。


  • ゴルフ場のドレスコードを守る
    クラブハウスへ入る時とプレー時には、ゴルフ場が定めるドレスコードを守りましょう。
    ドレスコードを守れない人に対して、嫌悪感を抱く人は居ても、好感を持つ人は居ません。ゴルフ場によっては、ドレスコード違反に対して入場拒否という厳しい対応を取るところもあります。
    「服装は敬意の表現」と言っていいと思います。綺麗なクラブハウスとコースを用意してもてなしてくれるゴルフ場や、同じゴルフ場を利用する他のプレイヤーへの敬意の表現として、正しく清潔な服装を心掛けましょう。


  • 携帯電話はマナーモードか電源OFF
    ラウンド開始前に、携帯の電源を切るか、音が出ない設定にしておきましょう。
    これはもちろん、不意に着信音が鳴るなどして、他のプレイヤーの集中力を削いでしまわないようにするためです。


  • 挨拶で気持ちよく始める
    最初のホールのティーショットを打つ前に、帽子を取って同伴者に「よろしくお願いします」と挨拶しましょう。
    不思議なもので、たったこれだけのことで、清々しい気持ちでスタートを切ることができます。

ラウンド中

自分のプレーに関すること

  • 前に人がいる時は打ち込まない
    これは、安全のために絶対に守るべきマナーです。打球を他の人に当てると、大けがをさせてしまう恐れがあります。当たり所が悪ければ命にも関わりますので、打球を人に当てるのは絶対に避けなければなりません。
    前の組の最後尾を歩く人が、「まかり間違っても自分のショットが届くことのない距離」まで進んだのを確認してから、次のショットに移りましょう。
    同伴者に「前の組に届くと危ないので、もう少し待ちます。」と言えればなおスマート!


  • クラブは数本持っていく
    ゴルフのマナーの基本の一つが「プレーファスト(Play fast)」、速やかなプレーです。
    一本だけクラブを持ってボールの所に来てみたら、もっと長いクラブが必要なことが判明し、遠くのカートまで取りに戻る…なんていうことになると、同伴者に無駄な待ち時間を強いることなります。
    使う可能性のあるクラブを多めに持ってボールの場所へ向かうことで、全員の時間を節約しましょう。


  • ショットに時間を掛けすぎない
    初心者の方が、自分の順番が来てからショットを打つまでに要する時間は、本人が思っている以上に長いことが多いです。自分のルーティーンを作り、狙い決めからショットまでを速やかに行えるよう練習しましょう。
    ちょっとしたコツは、素振りは多くても2回に留めること、風や高低差の考慮などの「頭で考える作業」はなるべく待ち時間の内に済ませることです。
    こちらもチェック!

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    ルーティーン

  • ボール探しに時間を掛けすぎない
    ラフなどに入り込んでしまったボールを探し回ることはよくありますね。
    実は、ゴルフのルールとして、ボールの捜索時間は3分と決まっています。
    親切な同伴者が気を遣って、一緒にボール探し続けてくれる時もあるかもしれませんが、3分以内に見つからない場合は、一緒に探してくれた同伴者にお礼を言い、自分からロストボールを宣言して、プレーを前に進めましょう。
    こちらもチェック!

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    初心者が知っておきたいゴルフのルール

  • 同伴者が見えない場所から打つ時は「打ちまーす」
    たとえば斜面の下など、同伴者の視界の外からショットを打つ時は、同伴者の安全のために「打ちまーす」と声をかけましょう。
    プレー中の安全は何よりも優先されるので、用心し過ぎということはありません。


  • 予備のボールを常に持っておく
    ゴルフでは突如として、ボールとの悲しい別れが訪れます。「林に打ち込んだ」、「池に打ち込んだ」、ひどい時には「無いワケないのに何故か無い」など。
    これに備えて、予備のボールを2~3個、常に携帯しておきましょう。ポケットに入れておいてもいいですが、ウェアが「ぼこっ」となるのが気に入らない方は、ベルトループに通したりして使えるボールホルダーを使うと良いでしょう。


  • 隣のホールへボールが飛んだときは「フォアー」と叫ぶ
    自分や同伴者のショットが狙いどおりにいかず、隣のホールに飛んでいった時は、その方向へ大きな声で「フォアー(Fore)」と叫びましょう。
    これは、悔しさを大声で表現してスッキリするためではなく、ボールの向かって行った先にいるかもしれない人に危険を知らせるためです。安全に関することですから、迷わず大きな声を出しましょう。

自分以外のプレイヤーに関すること

  • 同伴者のプレーを妨げない
    同伴者がプレーに集中できるための配慮は、ゴルフの基本マナーの一つです。
    同伴者がプレーする際、その人の前方に立ってはいけないことは当たり前ですが、たとえ後方であっても近くには立たない、アドレスした時の視界に入らないように配慮するなど、自分の位置取りに気を付けましょう。
    同伴者がアドレスに入ったら、自分の動きを止め、物音を立てないようにしましょう。


  • 可能な時は他の人の打球の行方を見る
    ショットを打った本人が、自分のボールの行方を見失ってしまうケースというのは少なくありません。
    ティーショットの時や、同伴者が斜面の下から自分の見える方向へ打ち上げてくる時など、なるべく打球の行方を見ておいて、本人が困っていたら、伝えてあげるようにしましょう。
    同伴者のボール探しにかかる時間を少なくすることで、プレーファストにつながります。
    それに、もしも自分が同じことをしてもらえると嬉しいですよね。そういうことは是非ほかの人にもしてあげましょう。


  • グリーンに遠い人から打つのが基本
    これは、マナーの話であると同時に、ルールの話でもあります。
    ゴルフでは、グリーンから遠い人から順番に打つのが原則ですが、何らかの理由で次に打つべき人の準備が整っていない場合などには、準備が出来た人から打つことがルール上で認められています
    必要に応じて、「先に打ってください」、「先に打ちますね」と声を掛け合いながら、臨機応変にプレーを進めていきましょう。
    これは慣れが必要なことかもしれませんので、自信の無い人は「原則」のやり方をしっかり守りながら、同伴者がどういう時に打つ順番を変化させているか観察すると良いでしょう。


  • 同伴者のボールを一緒に探す
    同伴者がボールを探している時、なるべく一緒に探してあげるようにしましょう。同伴者の快適なプレーだけでなく、組全体のプレーファストにもつながります。
    ボール探しを手伝う時は、自分自身が次のプレーをする準備を済ませた上で行うようにしましょう。他のプレイヤーのボールは一緒に探しつつ、自分の番になったらサクッとプレーできるゴルファーはとっても素敵です。

バンカーショットに関するもの

  • エッジが低いところから入る
    バンカーに入る時は、縁の段差の低いところから入りましょう。
    ボールに近いからといって高いアゴの部分などから入らないようにしましょう。
    これは、バンカーの縁を崩してしまわないようにするためです。平らなところならスッと縁をまたいでバンカーに入れますが、段差のきつい所だと、出ようとして縁にグッと体重をかけた時に、踏み崩してしまうかもしれませんからね。


  • 入ったところから出る
    バンカーを出るときは、入ってきた経路を引き返して出ましょう。これはもちろん、バンカーの砂を乱す範囲を最小限にするためです。


  • バンカーショットを終えたら砂をならす
    バンカーショットを終えたら、近くに置いてある「レーキ」という道具を使って、バンカー内で自分がショットのために乱してしまった部分をならしましょう。
    レーキを戻す場所は、ゴルフ場によってバンカー内・バンカー外どちらのパターンもありますが、自分がレーキを手に取る前に置かれていたパターンに従えば、悩まずに済むので良いかなと思います。

グリーンに関するもの

  • グリーンでは走らない
    グリーンで最も気を付けるべきは、グリーンを傷つけないように大切にすることです。全てのプレイヤーが、数センチ単位の繊細なプレーをする場ですから、細心の注意が必要です。
    そのための最も基本的な約束事が「グリーン内では走らない」です。急いでグリーンの反対側へ行きたい時は、グリーンを迂回するように駆け足で移動しましょう。


  • 他の人のラインを踏まない
    同伴者がこれからパッティングするボールの軌道をズカズカと踏んではいけません。
    これはもちろん、同伴者のプレーエリアを乱さないためです。


  • カップの縁を踏まない
    自分がカップインしたボールを拾い出す時などにも、カップの縁を踏まないよう気を付けましょう。
    理由は上と同じです。


  • ボールマークは直す
    アイアンショットなどでグリーンオンした場合、グリーン内のボールの着地点にクレーターのような窪みが出来ることがあり、これをボールマーク(もしくはピッチマーク)といいます。
    ボールマークを見つけたら、グリーンフォークという専用の道具で修復します。
    グリーンフォークをボールマークの周囲何か所かに差し込んで、それぞれ中心に向かって起こし、最後にパターで押さえたり足で踏むことで、元に近い状態へ復元できます。
    グリーンフォーク


  • 打つ人から離れる
    同伴者がパッティングをするときは、プレーの邪魔にならないように距離を取って立ち、動かず静かにしていましょう。この時、特に注意したいのは、自分の影がプレーしている人のラインまで伸びてしまわないような位置に立つことです。


  • OKパットをもらったらパッティングしない
    ボールがカップのすぐ近くまで寄った時、同伴者から「OKだよ」と言われることがありますね。これは「打てば入るだろうから、そこから1打でカップインしたということにしてしまって『OKだよ』」という意味で、プレーファストの一環として多くのゴルファーが慣れ親しんだローカルルールです。
    強制的なルールというわけではないので、「OK」の掛け声を受け入れるかどうかはプレイヤーの自由ですが、受け入れる場合には「ありがとうございます」と言ってボールを拾い上げるのがマナーです。
    パッティングを続ける場合、「OK」を放棄するという意味になりますので、カップインまでにかかった打数をきっちり全部カウントしましょう。
    ちなみに、OKと言われたけどパッティング→外す→そこから最初のOKにすがろうとする…これは最悪ですので本当に止めておいた方がいいです。プレーファストには貢献せず、失敗を無かったことにしようというわけですから、当たり前ですね。
    気心の知れた友人や知人とのラウンドでは、練習を兼ねるなどしてもう少し緩くやる場合もあると思いますが、正しくは上のとおりだということは知っておきましょう。

その他

  • カートの運転は臨機応変に
    カートを誰が運転するかという正式な決まりはありません。たとえば目下の人が運転する、もしくは最も遠くまで打った人が運転する(なぜならカートを最後に降りるから)など、同伴者との関係性に応じて、臨機応変にやりましょう。


  • 前の組のカートに近づかない
    前の組のカートの真後ろにビタッと付けると、前の組の人は「早く行って」と急かされているように感じてしまうかもしれません。カートを前に出しすぎないように気を付けましょう。
    うっかり前の組のカートの真後ろまで近づいてしまう可能性が特に高いのは、ティーグラウンドです。前の組がまだティーグラウンドにいる場合は、少し距離を取って、後方にカートを止めて静かに待ちましょう。控え目の会話であれば声が届かないくらいの距離が取れるとお互いに快適です。


  • スコア記入はグリーンを離れてから
    全員がカップインしたところで、グリーンに突っ立ってその場でスコアの記入を始めるのはやめましょう。
    後ろの組に無駄な待ち時間を強いることにならないよう、スコアの記入はグリーンを離れたところか、次ホール移動後のティーグラウンド付近で行うようにしましょう。

ラウンド終了後

  • 挨拶で気持ちよく終わる
    組の全員が最後のホールのプレーを終えたら、帽子をとって「ありがとうございました!お疲れさまでした!」と挨拶し、シャキッと気持ちよくその日のゴルフを締めましょう。


  • クラブハウスでは帽子・サングラスを取る
    屋内では、脱帽しサングラスを取るのがマナーです。
    プレー後クラブハウスに戻る時(昼食休憩の時もそうです)、これを忘れないようにしましょう。長時間プレーする中で、身に着けていることをうっかり忘れることがありますので、お気をつけて。

とても全ては覚えきれないという方

以上、ゴルフの主なマナーとして思い当たるものを挙げてみました。

「なるほどね。うんうん。…いや多いわ!」と思った方もおられるかもしれませんね。

忍三郎自身も、初心者の頃からこれらを全部知っていたわけではありません。

そこで、「今度、人生初のラウンドに行くんだけど、こんなに覚えられないよ」という方へのアドバイスも挙げておきます。

マナーの根底の考え方を覚えておく

マナーには存在理由がありますので、その根底の考え方をしっかり意識しておくだけでも、周囲から「まあまあ…うーん、まあ…OK!」と思ってもらえるくらいの振る舞いはできると思います。

忍三郎の考えるに、ゴルフのマナーの大原則は「他プレイヤーへの配慮」です。

他のプレイヤーがプレーしにくいと感じさせる行為、もしくは他プレイヤーの楽しみを邪魔する・奪うような行為を自分がしてしまわないように気を付けるというのが一番の基本だと思います。

そのためのキーワードは「安全に」「速やかに」「邪魔をせず」の3つだと思います。上でご紹介したマナーの項目はすべて、少なくともこのいずれかに当てはまります。

マナーの原則は他プレイヤーへの配慮

すべてのマナーを短期間で暗記する自信の無い方は、この原則とキーワードを頭に入れて、その場その場での自分のとるべき振る舞いを考えることで、バッチリとまでは行かないかもしれませんが、誠実にプレーしようとしていることは周囲から理解してもらえるのではないかな、と思います。

同伴者に予め知らせておく

マナーに不安のある初心者の方は、ラウンドのはじめに、同組の仲間へ次のように伝えておくことも一案です。

ご迷惑となるようなことがあれば、どうかご指摘・ご指導をお願いします。

忍三郎はゴルフを始めたばかりの頃、これが「マナーを知らない者のマナー」かな、と思ってやっていました。

上の繰り返しになりますが、大切なことは、自分だけでなく他のプレイヤーもゴルフを楽しめるように配慮すること、そして、その意思をはっきりと示すことだと思います。

今回は以上です。

マナーを守り、仲間と一緒に清々しい気持ちで、楽しいゴルフライフを送りましょう♪

にんゴルについて

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