ゴルフスコア100切り・90切りを目指すくらいのレベルの方を対象に、「考え方だけでスコアアップ」のシリーズをお送りしています。
ティーショットからパットまでの1打1打について、技術面や体力面とは関係なく、単に「考え方」を変えるだけでスコアアップを実現できるポイントに注目していきます。
今回は、グリーン周りのアプローチ編です。
セカンドショットを終えて、グリーンエッジから20~30ヤード以内の場所にボールがある場合を前提に、スコアアップにつながるアプローチショットの「考え方」を見ていきます。
最初に結論
6つのポイント
100切りや90切りを目指すゴルファーの方は、グリーン周りのアプローチの時、次のような考え方で臨むことで、スコアアップが期待できます。
スコアアップにつながる
アプローチショットの「考え方」
- ボールの状態を「よ〜く見る」
- グリーンまでの距離を把握する
- グリーンの「だいたいの傾斜」を確認する
- パターで打てるかどうか考える
- ウェッジ やアイアンは「落とし所」だけに集中する
- 「寄せる・決める」ではなく「乗せる」
以下では、上に挙げたそれぞれのポイントを詳しくご紹介し、それらがどうスコア改善に繋がるのかご説明していきます。
ボールの状態を「よ〜く見る」
当たり前のようで、意外とおろそかにされがちなのが、ボールをよ~く見るという作業です。
これ自体は「考え方」ではありませんが、その準備として大切です。
初心者・初級者の場合、グリーン周りにやってきて、自分のボールを見つけたら、その場所の傾斜だけ確認して、早速ピンに向かって打とうとする方が多いと思います。
そんな方は、アプローチショットを行う前に、次の2点に特に気を付けて、ボールの状態をしっかり観察しましょう。
①ボールの地面からの浮き具合
ボールが芝に乗り、地面から少しでも持ち上がっているかどうかで、アプローチショットの打ち方・難しさはガラリと変わってきます。
特に注意したいのは、地面からボールがまったく浮いていないケースです。
パッと見ではフェアウェイにボールがあるように見えても、ボールの場所だけがたまたまベアグラウンド気味(=芝が剥げて地面に直接ボールが乗っている)になっていたりすると、ショットの難易度が上がります。
これは、芝でボールが持ち上がっていない分、「ザックリ」と「トップ」の間の、ボールを綺麗に打てる許容範囲が狭くなってしまっているためです。
この場合、たとえばウェッジ系のクラブを諦めてフェースの立ったクラブを選択するなど、ミスの確率を下げる選択をすべきということになります。
逆に、ラフなどでボールが浮きすぎている場合にも、フェースがボールの下を潜り抜けてしまうミスショットのリスクが出てきます。
②芝の干渉具合
ショット時に、クラブフェースとボールの間に芝が噛みそうかどうかも大切なポイントです。
スイングの勢いが芝である程度奪われてしまうなら、その分だけ大きめのスイングで臨まないといけません。
これを怠ると、「あと数歩のところにグリーンがあるにも関わらず、チョロをやってしまってボールは届かず、ガックリ肩を落とす」という、初心者にお馴染みのパターンに陥ってしまいます。
このように、アプローチショットに臨む前に、この「ボールをよ〜く見る」というひと手間をかけるだけでも、普段よりもミスの回数を少なく抑えてプレーできるはずです。
グリーンまでの距離を把握する
目測でショットをイメージできなければツールを使う
これは、ほとんどの方がわざわざ言われるまでもなくご存じのことだと思いますが、ボールからグリーンエッジまでの距離と、エッジからピンまでの距離を把握しましょう。
歩測する、レーザーもしくはGPSの距離計を使うなど、方法は様々です。
グリーンまで数ヤード以内という近さの場合は、目測でも十分だと思いますが、目測で「どのくらいのスイングの大きさが必要になるか」というイメージがパッと浮かんでこない時は、ツールに頼って距離を確認しましょう。
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グリーンの「だいたいの傾斜」を確認する
時間をかけ過ぎずに確認したい
アマチュアのゴルフで、アプローチショットの前にグリーンに上がり、細かな傾斜まで入念に確認している方を見かけることは稀です。
そのような確認をするのは、そこで得た情報を活用して、実際にボールをピンに寄せていく技量のある上級者くらいです。
100切りや90切りを目指すレベルのゴルファーがそんなことをしていたら、スロープレーの原因になってしまいかねません。
ざっくり把握してざっくり狙う
私たちくらいのレベルのアマチュアゴルファーは、わざわざグリーンまで上がらずに、グリーンを「1枚の平らな板」ととらえて、それがどちら向きにどの程度傾いているか、少し離れた所からざっくりと把握するようにしましょう。
そうして確認した傾きを、アプローチショットにざっくりと反映させるのです。
どれくらい「ざっくり」かと言えば、こんな感じです。
ピンの周りに4つのエリアをイメージして、「グリーンの全体的な傾斜」に合わせて、4つのうちどれか一つのエリア内にボールを停止させるイメージでアプローチします。
カップという「点」ではなく、「面」を狙うことで、神経質になりすぎず、リラックスしてショットに臨むことができます。
「グリーンの全体的な傾斜」以外に、たとえば2段グリーンの段差など、「グリーン上の特定の傾斜」がはっきり見えている場合には、それも加味しましょう。
パターで打てるかどうか考える
パターで打てるなら絶対パター
ボールの状態を見て、グリーンまでの距離を見て、グリーンのだいたいの傾斜を見たら、実際にボールを打つ段階に進みます。
最初に考えるべきなのが、「パターでグリーンに乗る状態なら、絶対パターで打つ」ということです。
フェアウエイの花道やグリーンカラーにボールがあり、進路を遮るものが無く、「パターで少なくともグリーンに乗せることはできる」と感じる状況なら、迷わずパターを使いましょう。
逆に、ラフにボールがあるなど、パターでボールをグリーン上まで運ぶイメージが湧かない場合は、「仕方なくパター以外を選ぶ」という感覚です。
ウェッジ やアイアンは「落とし所」だけに集中する
「最後にボールが止まる場所」ではなく、「ボールが最初に着地する場所」だけを意識してショットに臨みます。
考え方の順序はこんな感じです。
- グリーンの「だいたいの傾斜」から、狙いのエリアを決める
- 狙いのエリアにボールを止めると想定した場合、「どこにボールを着地させる」必要があるかを決める
- 「ボールの着地する場所」だけに集中してアプローチショットに臨む(カップを見る必要すらない)
事前の読みが正しいなら、狙った場所にボールが着地しさえすれば、その後は必ずピンの近くまで行ってくれるはずです。
自分の読みを信じて、ショットの瞬間は「狙った通りの場所にボールを落とすこと」だけに集中しましょう。
ちょっと寄り道
「キャリーとランの比率」
「落とし所」だけに集中してアプローチショットを行うためには、自分が使用するクラブの「キャリー対ランの比率」を知っておく必要があります。
たとえば、忍三郎がアプローチで最も多く使うアプローチウェッジの場合、この比率はおよそ1:1です。
皆さんも、自分のクラブで最低1本、できれば2~3本について、このキャリーとランの比率を把握しておきましょう。
「寄せる・決める」ではなく「乗せる」
最後に、ここまで読まれた方は薄々お分かりかもしれませんが、今回おすすめしているアプローチの考え方には、チップインを「決める」という想定はそもそもありません。
プロのプレーでも、チップインには滅多にお目にかかれないのですから、私たちくらいのレベルのアマチュアゴルファーがチップインを前提にプレーを組み立てるというのは、もはやジョークに近い話です。
さらに言えば、忍三郎は、「寄せる」ことすらオマケ程度に考えるべきだと思っています。
アプローチショットで達成したいこと、それは「乗せる」ことなのです。
これが常に達成できるだけでも凄いことなのです。
この「考え方」シリーズでは、パー4のホールの3打目でこのアプローチショットを打つことを想定していますが、ここでグリーンに乗せる、つまりボギーオンができれば、90切りを賭けたプレーを続けていくことができます。
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私たちがアプローチの時に最も気を付けなければいけないのは、「欲を出しすぎて致命的な失敗をしてしまい、大叩きに陥ること」です。
これが頻繁に起こるようでは、90切りはおろか100切りすら難しくなります。
「乗れば十分」
「寄れば最高」
「決まれば我が人生に一片の悔いなし」
そんな心構えでアプローチに向かいましょう。
↓アプローチショットの簡単な打ち方↓
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↓アプローチの練習は超大切↓
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まとめ
スコア改善につながる「アプローチの考え方」のコツ
- ボールの状態を「よ〜く見る」
- グリーンまでの距離を把握する
- グリーンの「だいたいの傾斜」を確認する
- パターで打てるかどうか考える
- ウェッジ やアイアンで打つなら「落とし所」だけに集中する
- 「寄せる・決める」ではなく「乗せる」