今回から、ゴルフスコア100切り・90切りを目指すくらいのレベルの方を対象に、「考え方だけでスコアアップ」のシリーズを数回に分けてお送りします。
ティーショットからパットまでの1打1打について、技術面や体力面とは関係なく、単に「考え方」を変えるだけでスコアアップを実現できるポイントに注目していきます。
今回は、そのティーショット編です。
最初に結論
大切なポイントは4つ
ティーショットの時は、次の4つのポイントを押さえた考え方をすることでスコアアップが期待できます。
スコアアップにつながる
ティーショットの「考え方」
- 「セカンドショット」を考える
- 「ボールがどこに行くと困るか」を考える
- 「自分の打球の癖と傾向」を考える
- 「ティーショットはドラコン大会」という考えを捨てる
以下では、上に挙げたそれぞれのポイントを詳しくご紹介し、それらがどうスコア改善に繋がるのかご説明していきます。
スコアアップにつながるティーショット時の思考
「セカンドショット」を考える
ティーショットの時に考えるべきことの中で最も大切なことが、セカンドショットで自分が何をしたいのかをしっかりイメージした上でショットに臨むことです。
ここで言う「セカンドショットを考える」というのは、「フェアウェイから打ちたい」という程度の話ではなく、そこからもっと踏み込んで考えていく必要がある、という意味です。
特に大切なポイントを以下でご紹介します。
「セカンドショットのことを考える」とは?
- セカンドショットの目的を明確にする
セカンドショットでグリーンオンを狙うのか、レイアップするのかによって、ティーショットに求められることが変わってきます。
ツーオンを狙う場合、そのホールの長さによっては、ティーショットに求められる飛距離がより厳しく、つまりティーショットが難しくなります。
レイアップする場合は、ツーオンの可能性を放棄する代わりに、無理して距離を稼ぐ必要がなくなり、セカンドショットで自分の得意クラブを使えるなど、ミスの確率を下げる選択肢を手にできます。忍三郎は、少なくとも90切りくらいのレベルまではこちらの方が簡単だと思います。 - ドッグレッグや木などの障害物を考慮する
ドッグレックの曲がり角付近や、コース上の木といった障害物は、次のショットを考える時に考慮すべき大事な要素です。ボールの落ちどころ次第では、次のショットでグリーン方向を諦めるしかないという状況になりかねませんからね。
そして、こういうケースでは、「ボールがあと5ヤード左右にずれるだけで、もしくは数ヤード手前にボールが止まっているだけで、全然違う景色になっていたのに」ということがよくあります。
そういった悔しい状況を避けるためにも、「少しでも遠くへ!」と飛ばすことに拘るのではなく、自分の最大飛距離の20ヤード手前でもいいので、自分の向かいたい方向へ視界が開けた場所にボールを置くことに拘るべきなのです。
- 傾斜を考慮する
セカンドショットを打つ予定の地点がどんな傾斜になっているかというのも大切なポイントです。
なるべく平坦な場所からセカンドショットを打てることが最も望ましいのは当たり前ですが、ボールの置き所としていつもそのような場所が選べるわけではありません。
自分の得意不得意に応じて、打ちやすそうな傾斜の場所を探すようにしましょう。
ちなみに忍三郎は、ティーショットのターゲット地点を考える時、自分が特に苦手とする「左足下がりのセカンドショット」をなるべく避けるようにしています。
「セカンドショットを考える」と言いましたが、実際には、「グリーンオンからの逆算」と言った方が正しいかもしれません。
「なるべく大きなミスをせずに、次のショットをお膳立てするんだ」という気持ちでティーショットに臨むことが大切です。
「ボールがどこに行くと困るか」を考える
ティーショットの際は、「どこにボールを置きたいか」ではなく「どこにボールが行くと困るか」を考えることがとても大切です。
この二つは、似ているようで全く異なります。
例えば、上で触れた通りセカンドショットのことを考えた結果、フェアウェイ上に「あそこからだとセカンドショットが打ちやすそうだな」という場所を見つけたとします。
実際にビタッとそこへボールを運べるならパーフェクトです。何も問題ありません。
しかし、毎回100%狙った場所へティーショットを放つなんて、プロでもできません。
アマチュアの場合、むしろ打球が左右に少しずれてしまったり、飛距離が少し短くなってしまうことの方が普通なのです。
上で見つけた場所というのが、フェアウェイの幅が極端に狭まっている所だったり、近くにバンカーがあったり、すぐ手前まで池があったりしたら、ティーショットが少しズレただけで、とんでもない大叩きを招くことにもなりかねません。
もし「セカンドショットを打つのに理想的な場所」を見つけたとしても、同時にそこが「辿り着くのが難しい場所」だったり「周囲に危険のある場所」だったりした場合には、ティーショットでそこを目指すのはやめ、別のポイントを探すことが上策です。
「ボールが行くと困る場所」をまず考えることで、結果として自然に、「ボールが行っても困らない場所」がハッキリしてきます。
その中から、セカンドショットを打ちたい地点を選ぶようにしましょう。
「自分の打球の癖と傾向」を考える
自分の打球の癖と傾向を踏まえてショットに臨むかどうかによっても、スコアは変わってきます。
たとえばこんな感じです。
打球の癖と傾向を利用する例
あなたが、自分はフェードヒッター、つまりショットが左から右巻きの弾道になる「癖」があると自覚しているとしましょう。
さらに、ラウンドの序盤数ホールで、その日はいつもより強めにフェードが出てしまう「傾向」があることに気付いたとします。
そうすると、ティーショットの時、自分が「あの辺にボールを落としたい」と思ったエリアの左端をターゲット方向に設定してショットすることで、曲がりが強めに出た場合にも狙ったエリアにボールを残せる可能性が出てきます。
さらに、ティーイングエリアの右端付近にティーアップすることで、さらに右側の「曲がりしろ」を多く取ることもできます。(ティーイングエリア内の左端から打つか、右端から打つかによって、実際かなり景色が変わりますよ。)
調子が悪いからといって、ラウンド中にスイングを大々的に修正するのは誰だって怖いものですよね。
自分の打球の癖と傾向を認識することで、多少の不調くらいはスイングをいじらずとも狙い方の工夫で切り抜けるという「プレーの引き出し」を手に入れることができます。
「ティーショットはドラコン大会」という考えを捨てる
各ホール、ティーショットだけは全員が同じ場所から打つので、「誰のショットが一番遠くまで飛んだか」がはっきりと目に見える形で現れます。
それが影響してなのか、誰が言ったわけでもないのに、ティーグラウンドに「遠くまで飛ばした人がすごい」的な雰囲気が生まれたりします。
そんな雰囲気に飲まれてしまい、スコアをめちゃくちゃに崩しながらも、毎ホールのティーショットで無謀なマン振りを繰り返すゴルファーがいます。
忍三郎の知る限り、平均スコア80台かそれ以下のゴルファーで、スコアを顧みずに「架空のドラコン大会」に挑むような方は一人もいないのではないかと思います。
にんゴルのあらゆる記事の中で繰り返しお伝えしていることですが、初級者の壁を打ち破るためには、この「意味もなく力いっぱい打つ」という段階を卒業しなければなりません。
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まとめ
ティーショットについて考える上で、スコアアップにつながる特に大切なポイントは次の4つ。
- 「セカンドショット」を考える
- 「ボールがどこに行くと困るか」を考える
- 「自分の打球の癖と傾向」を考える
- 「ティーショットはドラコン大会」という考えを捨てる