しっかり練習しているのに一向にスコアが良くならない。
練習場ではそれなりに手応えがあるのに、いざラウンドになると散々なスコア。
初心者の時は、なぜかコースに出た本番が上手くいかないものです。
今回は、「自分はゴルフが上手くならない」と悩んでいる方へ、シンプルな解決策をご提案します。
最初に結論
プロの真似をしない。プレーの計画を立てる。
「自分はゴルフが上手くならない」とお悩みの方へ以下の二つの解決策をご提案します。
- プロのようなスイングに拘るのを一旦やめる。
- コースでのプレーの計画を立てて結果を記録する。
それぞれについて、以下で詳しく見ていきましょう。
プロのようなスイングに拘るのを一旦やめる
プロの真似をしようとするから失敗する
まず、初級者の上達を妨げる代表的なパターンの一つが、「見た目の雰囲気だけプロっぽいスイング」を目指してしまうことです。
昔の忍三郎もそうだったのですが、初心者は自分もプロのようなスイングをできると思い込んで、ブンブンのマン振りから練習をスタートさせがちで、これが最初の落とし穴なのです。
プロのショット、特に男子プロのショットを目標にして練習をスタートすることは、ハッキリ言えば「逆立ちしてもできないこと」に挑んでいるに等しいです。
ゴルフをはじめたばかりのアマチュアがちょこっと練習しただけで、才能に加えて長年の鍛錬を積み重ねてきたプロと同じことができるとしたら、プロの商売は上がったりですよね。
男子プロで飛距離のある選手は、7番アイアンで190ヤードほど飛ばすそうです。あのテレビで見るスイングは、そういう飛距離を出す人々のスイングだということです。
たとえ「飛び系アイアン」を振り回してもそんな飛距離には届かないようなアマチュアの私たちが、そんなスイングを目指して上手くいく方がおかしいのです。
アマチュアにはアマチュアのプレーがある
プロの真似をしても仕方がない、ではどうすればよいかといえば、「今の自分の実力でも正確にできること」を出発点にして、積み上げ方式で考えれば良いのです。
その出発点が何かと言えば、「振り幅10cmでパターのようにコツンと当てるショット」です。そこから始めて、「自分が正確にできること」の範囲を把握する必要があります。
たとえプロのように格好良くなくても、現時点で自分にできる精一杯のショットと向き合わなければなりません。
ちゃんと当たる、少し当たりそこなっても前に飛ぶ、ある程度予測可能な方向の範囲内に収まってくれる。最初はそんなショットで十分です。そこから少しずつ、無駄のない、力強いスイングへと進化させていけば良いのですから。
この考え方については、こちらの回で詳しいお話をしています。
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「どんなドリルで練習しても、何回練習をしても、ショットが上手くなっている気がしない」という方は、背伸びして遥か遠くのゴールだけを見ようとするのではなく、まずは自分の足元の、自分が今できるスイングと向き合ってみましょう。
そのスイングと向き合った上で、「今の実力なら、コースではこういうプレーまでなら出来るのではないか」と考えたり、練習場で「自分のスイングのここを良くしたい」という改良を一つずつ積み上げて行ったりすれば良いのではないかと思います。
にんゴルでは、初級者の方向けに、コツを3つだけに絞った単純なスイングをご紹介しています。
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コースでのプレーの計画を立てて結果を記録する
何も考えずにコースへ飛び出していない?
たくさん練習して、満を持して迎えたラウンドだったのに、散々な結果になってしまい、帰りの車では「もしもこうだったら。あの時ああしていれば。」の話ばかり…なんていう経験は、誰にでもあると思います。
今、上級者と呼ばれる方々でさえも、きっと初心者の頃はそうだったに違いありません。
ラウンドでなかなか結果が良くならないと悩んでいる初級者の方には、次の二つの点をぜひ振り返ってみていただきたいと思います。
- ラウンドの時、最初のホールのティーグラウンドに立ってから18ホール目の終わりまで、どんなことを考えながらプレーしていましたか?
自分が第一打、第二打…とそれぞれどんなショットをして、どんなスコアで上がりたい、という具体的な「計画」はあったでしょうか。まっさらな気持ちで第1ホールに臨み、そこからひたすら「出たとこ勝負」でプレーしていなかったでしょうか。 - 18ホールのプレーの記録は、どのくらい残っていますか?
スコアカードには、各ホールのスコアだけが書き残されているだけで、自分がパターを何回打ったのか、バンカーショットやOBがどのホールで何回あったのかなど情報は記録されず、記憶からもすっかり消え去ってしまっていませんか。
この二つの質問に対して答えが出てこない場合は、「何も考えずにコースに出てしまっていること」が、スコアアップを妨げる大きな要因になってしまっていると思われます。
「計画」があれば「反省」と「改善」がある
初心者であれ上級者であれ、その実力に見合った「計画」を持ってコースに出ることが大切です。
「今回こそ100切りする!」という気合いだけではなく、どんなショットを何回打って100を切るのかという計画を持っていなければなりません。
例えば、下の2つの記事では、スコア90を目指すゴルファー用に、「ラウンド全体の捉え方や、各ホールのプレーの仕方について、こんなことを考えてプレーしてはどうでしょう」というアイデアをご紹介しています。
今回のテーマは「ラウンド全体の戦略」です。 90切り達成のために、実際にラウンドをプレーする時、何を狙い、何を工夫し、何に気を付ければいいのか、その考え方の部分に注目していきます。 最初に結論 「ボギーオン・2パッ[…]
今回のテーマは「コースマネジメント」です。 90切りに向けて、どういう意識で各ホールを攻略していけばいいのか、例とともに見ていきます。 最初に結論 「今の1打」ではなく「次の1打」を考える 90切りを達成するためのコース[…]
ホール攻略の「計画」を立てることで、一打一打、自分なりの根拠や狙いを持ってプレーに臨むことができます。
これだけでも少しスコアが良くなるかもしれませんが、「計画」と同じくらい大切なのが「記録」です。
しっかりとプレーの記録を取り、最初の計画と見比べることで「反省」ができ、自分に合った「改善」のポイントを見つけることができるからです。
ビジネスでよく耳にする、いわゆるPDCAサイクルというやつです。
これはもちろんゴルフにだって当てはまります。ゴルフスコアを改善するためのPDCAをどう行ったらよいか、その例をこちらでご紹介しています。
ゴルフ初心者・初級者の方は誰もが「少しでも早くゴルフを上達したい」という願いを持っていると思います。 もちろん、日々の練習によって上達していくことはできるのですが、より短い期間でスコアを改善するには、「身体」だけではなく「頭」[…]
せっかく労力を割いて努力するならば、より大きな成果が得られるような努力を優先的に行う方が効率が良いですよね。PDCAサイクルはその役に立ちます。
自分のスコア改善を妨げている課題や弱点を見つけて、そこをきっちり改善すれば、次回のラウンドは絶対に今回よりも良い結果が出ます。
このような考え方で練習とラウンドを繰り返すことで、「何かよく分からないけれど、スコアが一向に良くならない」という状況からきっと脱出できるはずです。
もちろん、得意・不得意や成長スピードは人それぞれ異なります。
しかし、少なくともある程度のレベルまでは、誰もが「止まらずに成長する」ことはできるのです。
まとめ
- 最初からプロのようなスイングを目指すのではなく、自分にできるスイングと向き合って、「自分が正確にできるプレー」を積み上げていこう。
- 自分なりに、コースでのプレーの計画を立てて、プレー中は記録を取り、反省点を見つけ出して効率的にスコア改善を図ろう。