「スイングの軌道」や「スイングプレーン」は、ゴルフスイングについて勉強し始めると、割と早い段階で出会う言葉だと思います。
今回は、一見すると何だか難しそうな、これらの話について見ていきます。
最初に結論
シンプルは正義!スイング軌道やプレーンなんて考える必要なし
元も子もない結論から行きたいと思います。
スイングの軌道やスイングプレーンの絶対的な正解を追い求めるとドツボに嵌まります。そのことに私たちの貴重な時間と労力を割く必要はありません。
「軌道はこう、プレーンはこう」と、スイングをたくさんのパーツに分解し、ひとつひとつを難しく考えることによって、スイングがどんどん難しくなっていきます。
ここは目的に立ち返って考えるべきです。私たちがスイングの軌道やプレーンを気にするのは、正確でしっかり飛ぶショットを打つためですよね。
ならば、スイングの軌道・プレーンを小難しく考えなくても、シンプルかつ簡単なやり方で、ある程度狙った方向にしっかりした距離のショットが打てるなら、そちらの方が遥かにいいのです。
スコア90切りくらいまでは、ごく単純なスイングを心がけるだけで、十分な内容のショットが打てます。
これらのことを、以下で詳しく見ていきましょう。
なぜ「単純なスイング」は価値があるのか
上の結論について考えるためにも、まずは「スイング軌道」や「スイングプレーン」が何なのか、基本的なことを確認していきましょう。
スイング軌道とは
一般に、ゴルフで「スイング軌道」と言うときは、クラブがボールをヒットする、つまりインパクト前後のクラブヘッドの通り道を指す場合が多いです。
よく目にするのは「『インサイドイン』もしくは『インサイドアウト』が正解で、『アウトサイドイン』はダメ!」という感じのアドバイスだと思います。
例えば、有名なゴルフ情報サイト「ゴルフの学校」では、「インサイドイン」を推奨しているようです。
引用:ゴルフの学校
上の青線が、ボールを軸にして時計回りにズレると「インサイドアウト」、反時計回りにズレると「アウトサイドイン」の軌道になります。
一般に、「インサイドアウト」はドロー、「アウトサイドイン」はフェードの弾道になり易いと言われています。ドローのボールはストレートのボールよりも(キャリーとランを合わせた)飛距離が大きくなるので、「インサイドアウト」で打てるとイイ、という人もいる訳です。
ちなみに、混同しやすい「ドロー」と「フック」、「フェード」と「スライス」については、これまた有名なゴルフ情報サイトである「Gridge」で次のように説明されています。
意図的に右へ曲げるのはフェード、ミスをして曲がったらスライス。
意図的に左へ曲げるのはドロー、ミスをして左へ行くのはフック。引用:Gridge
なるほど。分かりやすいですね。
スイングプレーンとは
次は、スイングプレーンについて見ていきます。忍三郎が分かり易いと思うのは、こちらの説明です。
ライ角通りに構えたクラブの延長線のラインをスイングプレーンと言います。
(中略)
全体で見ると下記のように、ライ角通りにクラブをペタッと地面につけて構えてそのクラブの延長ラインの事を指します。
スイングプレーンについて一般的には、プレーンと重なる形でシャフトを走らせれば、ボールを真っ直ぐに打ち出せる、と言われています。
上の例は、いわゆる「1プレーン」と言われるタイプです。ほかにも、「2プレーン」といって、スイング中にクラブシャフトが2つの異なる平面上を動くという理論や、バックスイングとダウンスイングでクラブの通るプレーンが違う、という理論などが、いろいろなゴルフ教材でよく登場します。
それほど様々なアドバイスが存在するということは、裏を返せば「唯一の正解など存在しない」と言ってよいでしょう。
唯一の正解のスイングを追い求めなければならない!という勘違い
さて、基本的な情報を確認したところで、ここからが本題です。
スコア90切りを目指す初級ゴルファーは、スイング軌道・プレーンをどうしたらよいのでしょうか。にんゴルの提案する回答は、「あんまり考えなくていい」です。
ゴルフを始めたばかりの初心者の方は、「ゴルフにはすごく難しいたった一つの正解のスイングが存在していて、それを身に付けるために何十ものコツを学ばなければいけない」と思ってしまいがちです。忍三郎もそうでした。
スイング軌道・スイングプレーンは、その代表例です。ゴルフ教材で、正しい軌道やプレーンを実現するために、手首、肘、膝、肩、腰など、身体のひとつひとつのパーツの動かし方、向き、タイミングなどのレクチャーを目にすると、それらを全てマスターしなければ、キチンとしたスイングが出来ないような気がしてきます。
しかし、あちこちからスイングの「コツ」のようなものをいくつも拾い集めてきて、いろいろな動きを複雑に混ぜ合わせることは、自分のスイングの動きを自分でわざわざ難しくしているだけです。
別の言い方をすれば、自分自身に対してミスショットをするよう仕向けているに等しく、むしろスコアアップからは遠のいてしまいます。
ここで一つ、考えてみていただきたいのですが、仮に、巷で言われているスイング軌道・スイングプレーンについて、自分の満足する形が作れたとして、果たしてそれでショットは上手くいくでしょうか。
そんな保証はありませんね。
スイングが上手くいかなければ、今度はきっと「真っすぐ飛ばないのはフェースローテーションが間違っているからだ」などの新しい難題をまたどこかで発見し、ウンウンと悩むことになります。
色々と試行錯誤している内に、「ちょっと待てよ?最初に決めたスイングプレーンって、そもそもあれで合ってるのかな?」などと思い始めたら、いよいよ迷宮入りです。その苦行に、果たしてゴールはあるでしょうか。
そうしている間に「スイングの細かいことよく分かんないけど、とりあえず真っすぐ飛んでくれればいいや~。へへ~。」という感じの人の方が、大事なコツだけをさっさと掴んで、ゴルフの楽しさを満喫しながらスコアをどんどん改善していくことでしょう。
目的を見失わないことが大切
この記事を読んでいる方が、スイングプレーンについて考え始めたのは、きっと「いい球が打てるスイングを身に付けたいから」だったはずです。
あなたが今、スコア100切りや90切を目指しているのなら「まずまずの飛距離で、ある程度狙った方向に打てるスイング」ができれば十分です。
元も子もない話ですが、そういうスイングでありさえすれば、軌道やプレーンなんてどうでもいいのです。なぜなら、ショットなんて、単純なら単純なほど、簡単なら簡単なほど良いに決まっているのですから。
にんゴルがおすすめするゴルフスイングは、「まあまあ悪くない球が、簡単に安定して打てる」ことを目標にしていて、そのために気をつけるべきことを必要最小限に絞るようにしています。
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忍三郎は、自分の90切りの経験から、スコアの改善に直結しないことには、貴重な時間と労力を費やして悩む必要は無いと考えていて、にんゴルでは、即座にスコア改善の役に立つことに的を絞って発信しながら、スコアに関係のないことは「悩む必要なし」と訴えていきます。
スイングをマニアックに研究することが悪いとは言いません。「スイングの細部をいろいろ工夫して理想のスイングを考えていくことが楽しい」という考えを否定する気も全くありません。もちろんそれも、ゴルフの楽しみ方のひとつだからです。そのような方にとっては、きっとこの記事は余計なお世話でしかありません。
ただ、100切りや90を切りといったスコアの面を目標にしている人は、まずシンプルなプレーで中級者入りを果たし、ゴルフの楽しさが一層大きくなった後で、ゆっくりとスイングの研究をしていく、ということでも良いのではないでしょうか。
まとめ
- スコア90を切るくらいまでなら、スイングの軌道やプレーンに悩む必要無し。単純なスイングで十分。
- 自分でわざわざゴルフを難しくしてしまわないようご注意を。