バンカーショットは、ゴルフをプレーする中で特に厄介なシーンの一つですね。
バンカーは、2打目を打つ地点のあたりでティーショットを待ち構えている「フェアウェイバンカー」と、グリーンオンを狙うショットを待ち構えている「グリーン周りのバンカー」に大別できます。
今回は、後者の「グリーン周りのバンカー」をなるべく簡単に攻略する方法をご紹介します。
最初に結論
フェースを開いて打つだけ
グリーン周りのバンカーショットでは、
- たとえアゴが高くても1発で出せる
- しかも、飛びすぎてグリーンを越えてしまうこともない
そんな打ち方が理想的です。
実は、「フェースを開く」という工夫をするだけで、そういう打ち方ができます。
以下では、フェースを開いてグリーン周りのバンカーを簡単に攻略する方法を詳しくご紹介します。
グリーン周りのバンカーのかんたんな打ち方
まずバンカーの状態をチェック
ゴルフ場や天候によって、バンカーの砂の硬さが変わってきます。
多くの方が、バンカーショットで「バフッ」と乾いた砂が舞い上がる(=軽い)パターンと、「ズシャッ」と湿った砂が固まり気味に飛び散る(=重い)パターンの両方を経験されたことがあると思います。
ショット前にクラブをバンカーの砂に触れさせると反則(なんと2罰打!)になってしまうので、クラブを使って確かめることはできません。
そこで、バンカーに踏み入った時に、足の裏をバンカーにねじ込むようにグリグリと動かして、砂が軽いか重たいかをチェックします。
ここでのチェックが、後述の部分で少しだけ影響してきます。
フェースを開く構え方と打ち方
まず、通常時のウェッジでのショットと同じスタンスで立ちます。
ボールは、身体の中心線の左側に接するようにします。
クラブのリーディングエッジを、だいたい時計の短針1時間分(30度)開きます。
グリップしてからフェースを開くのではなく、「フェースを開いてからグリップする」という点に気を付けましょう。
ここで、先ほどの「バンカーの状態チェック」を活用します。もしも砂が「重い」方のコンディションの場合は、ある程度「ザクッ」とバンカーにリーディングエッジを突っ込みたいので、フェースを開かないか、もしくは開く程度を弱めにしましょう。
飛びすぎ防止のため、そしてスイングを少しでも簡単にするため、クラブは少し短めに握ります。
あとは、下の写真の黄色三角形の部分でボールを打つつもりで、いつもどおりのスイングをするだけです。
「打ち込む」とか「すくう」とか、特別な意識は必要ありません。いつも通りやりましょう。
たったこれだけです。簡単ですね。
狙いの定め方
普段のショットのアドレスでは、リーディングエッジと飛球線が垂直になるようにフェースをセットする(方が多い)と思います。
上の打ち方は、フェースを開いているので、普段のショットよりも右側に打ち出してしまいます。
そこで、下の絵のような位置関係を作ることで、「ボールを打ち出したい方向」と「実際の飛球方向」を概ね一致させることができます。
フェースの向きや飛球方向に惑わされず、あくまでも身体に対してスクエアにスイングする点に注意です。
方向感は「だいたい」でOKです。
そもそも、私たちのレベルでバンカーショットの方向を厳密に狙うのは無理ですからね。神経質になっても仕方がありません。
1~2回でもバンカー練習場で練習すれば、自分なりの「だいたい」が掴めると思います。
フェースを開いて打つことのメリット
「高いアゴ」と「飛びすぎ」を同時に対策
フェースを開くと、ロフトが大きくなります。
ロフトが大きくなると、ボールの打ち出しは山なりになりますね。
このおかげで、アゴに近いところにボールがある場合でも、ふんわりとした弾道で脱出できる可能性が高まるわけです。(ただし、極端に高いアゴの真下にボールがある時などは、無理は禁物ですよ!)
そして、ロフトが大きいということは、飛距離が短くなるということでもあります。
ただでさえロフトの大きいSWを少し短く持ち、さらにフェースを開いておけば、強めに当たってもボールが高く上がるだけで、飛距離自体はそれほど大きくならないのです。
飛びすぎる心配が無いので、安心して思い切りよく振っていくことができます。
その結果として、意外なほど簡単にバンカーを脱出できます。
ちょっと寄り道
この方法は普通のアプローチにも使える
実はこの打ち方、にんゴルがグリーン周りのアプローチ用におすすめしている打ち方とほぼ同じです。
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いかがだったでしょうか。
実行するのは簡単な割にメリットのたくさんある、この「フェースを開いて打つ」という作戦で、おそろしいグリーン周りのバンカーショットを乗り切って行きましょう!
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まとめ
- グリーン周りのバンカーショットは、フェースを開いて打とう。
- そうすれば、たとえアゴが高くても1発で出せる可能性が高くなり、飛びすぎてグリーンを越えてしまう可能性は低くなる。