今回は、特にゴルフ初心者の方がスコアを劇的に改善できる可能性のある方法のひとつとして、「ハーフスイングだけでラウンドする」ということについて考えていきます。
最初に結論
ハーフスイングでプレーした方がむしろ良い結果になる可能性あり
まずは結論から行きましょう。
ラウンドの時、ハーフスイングだけでプレーしても、通常時と遜色ない内容のゴルフができます。
初心者の方は、むしろハーフスイングだけでプレーした方が、通常時よりも良い結果を残せる可能性すらあります。
そうだと言える理由を、以下で見ていきましょう。
ハーフスイングがおすすめの理由
失敗の少なさ+再現性の高さ
ハーフスイングの素晴らしいところは、失敗しにくいこと、そしてプレーの再現性が高いことです。
例えば、ドライバーを100%の力でマン振りした時、当たり損なってテンプラになったりチョロになったり、ということは初心者の方にはよくあります。空振りをやってしまう人もいますね。
しかし、ハーフスイングであれば、そういった根本的なミスの可能性がぐっと下がります。
さらに、ハーフスイングの場合、ボールを毎回だいたい同じ方向と飛距離で打てる可能性が高まります。制御しやすい振り方にしているのだから、当然と言えば当然ですね。
自分の作戦どおりにゴルフを進めていく意味で、これはすごく大事なことです。
飛距離の心配をする必要はない
一方、ハーフスイングについて考える時、当然心配になるのがショットの飛距離ですね。
わざわざ弱く打ってたら、いつまでもグリーンに辿り着けないのではないか、と思う方もおられるはずです。
ところが、にんゴルが対象としている、90切りを目指すレベルくらいまでのゴルファーならば、「ハーフスイングでプレーしたために飛距離が不十分でスコアが悪くなる」という心配をする必要はありません。
私たちがハーフスイングで出せる飛距離だけで、十分に良い内容のゴルフができます。
これをはっきり認識するためには、具体的に1ホールをプレーする時を想像してみるのが手っ取り早いです。
典型的な例として、350ヤード・パー4のホールを考えてみましょう。レギュラーティーでよく見る長さですよね。
「スコア90=平均がボギーペース」ですから、このホールでボギーを取る、つまり5打で上がることをゴールとします。
ここで、あなたは「残り50ヤード以内まで来たら、そこから平均3打で上がれるゴルファー」であるとしましょう。(ホールによって2打で上がれる時もあれば4打の時もあり、平均すると約3打という意味です。実際、90切りのためには、それくらいの実力が必要になってきます。)
50ヤード以内のアプローチショットもパッティングも、「遠くまでボールを飛ばせるかどうか」とは関係ありませんね。つまり、飛距離が関係するのは、そこにたどり着くまでの2打ということになります。
ところが、よく考えてみれば、最初の2打で進むべき距離はたったの300ヤードです。ドライバーが180ヤード、7番アイアンが130ヤード飛ばせるだけでも、飛距離の合計は310ヤードですから、この条件は楽々クリアできます。
男性の場合、ハーフスイングで、ドライバーを180ヤード、7番アイアンを130ヤード打つことはそれほど難しくないはずです。
ということは、90切りを目指すレベルくらいまでであれば、ハーフスイングだけでラウンドをプレーするとしても、飛距離は大した問題にならない、と言えます。
ハーフスイングはむしろ「最適」に近い?
実際のところ、大半のビギナーが「ハーフスイング」だと思っているものが、「実力に見合った最適のスイング」もしくはそれに近いものである可能性が高いです。
というのも、私たちアマチュアゴルファーの全力フルショットは、少なくとも数回に1回ミスショットが出ると思います。
そのようなスイングは本番のラウンドで何の役にも立たないため、そもそも「手持ちの技術」としてカウントすべきではないのです。
忍三郎を含む多くのゴルファーにとって、ミスの確率を低く抑えつつ放てる最大のショットは、ハーフスイングかそれより少し強い程度のショットだと思います。
プロはあんなに力強いスイングをしているじゃないか、と思う方がおられるかもしれませんが、あれでも彼らは手加減していて、100%全力のフルスイングというわけではありません。
プロゴルファーでも、プレー中に「力まないように、6、7割の力加減で振ろう」と自分に言い聞かせながらプレーしている。…(中略)…先日のブリヂストンオープンで優勝した今平周吾プロは、3日目のプレーを終えて、このような趣旨の発言をしています。
「振りすぎている感じがあったので、6、7割くらいの力加減にした」
プロゴルファーたちの、あの鋭く見えるスイングは、本人たちにしてみれば、6~7割の力加減で放っているショットだというわけです。
誰よりも良い結果を出そうと切磋琢磨しているプロの方が、最善の結果を得るために、敢えてそうすることを選んでいるのです。
それなのに「アマチュアだけは、10割の力でマン振りした方が良い結果が得られる」なんてこと、あるはずがないですよね。
このような情報と、忍三郎の実体験による裏付けから、にんゴルでは一貫して「ショットは6割の力で打つ」ということを推奨しています。
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私たちアマチュアゴルファーの多くは、「ハーフスイングでラウンドを回る」というのを、特殊なドリルか何かだと思うのではなく、自分がより良いプレーをして、より良いスコアを出すための立派な「作戦」だと思って取り入れるくらいの意識が必要だと思います。
ラウンドに出るたびに、力いっぱいのショットでOBを何度も打ってしまうような方は特に、この意識を持つだけで大幅にスコアを改善できるかもしれませんよ。
ちなみに、ボールを上手に選ぶことで、コストをあまりかけないようにしつつ、いくらか飛距離を稼ぐことができます。
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まとめ
- ハーフスイングだけでラウンドするのは「アリ」。というか、初心者の多くはそうすべき。
- 「プロでも常々、6~7割の力でショットすることを心掛けている」ということを忘れないようにしよう。
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