今回は、スタンド式クラブケースについてのお話です。
スタンド式クラブケースとは、キャディバッグとは別に、数本のクラブを入れてラウンド中に持ち運ぶためのバッグで、二本の足をついたてにして自立できることが特徴です。
こんなやつです。
近年は、これを使ってプレーしている人を目にする機会が増えましたよね。
このクラブケース、実際のところかなり役に立ちます。
今回は、このクラブケースを使用することのメリット、具体的な使い方と使用の際の注意点、そして、忍三郎の独断と偏見によるおすすめ4選をご紹介します。
スタンド式クラブケースを使用するメリット
まず最初に気になるのは、「これが何の役に立つの?」ということですね。
この道具を使用するメリットを簡単に言ってしまうと、ゴルフをよりスムーズで快適にプレーできるようになります。その理由は次の通りです。
プレーに要する時間を節約できる
クラブケースを上手に活用すると、ボールの場所とカートを行ったり来たりする回数を少なくすることができます。
自分のボールがカート道から遠く離れた場所にある場合、この効果は特に大きいです。
ケースのポケットに予備のボールを入れておけば、突然のボールロストでも速やかにプレーを継続できます。
また、タオルを備え付けておけば、わざわざカートに戻らずとも、他の人がプレーしている間に、自分のショット後のクラブの汚れをさっと落としたりできます。
いろいろな面で時間の節約を積み重ねられるので、自分自身のプレーが早くなり、組全体のプレーファストにも貢献できるというわけです。
雨や朝露でクラブが濡れない
クラブケースを使わない場合、グリーン周りからウェッジでアプローチした後、パターでプレーしている間、他のクラブは芝の上に置いておくことになりますが、この間にクラブが濡れてしまうことがよくありますよね。特にグリップが濡れると、スイングの感覚に少なからず影響するものです。
このタイプのクラブケースを使うと、クラブを濡らさずにプレーすることができます。
ほんどの製品がカバー付きなので、クラブを雨から守ることもできます。
クラブの置き忘れが減る
地面の上に立てたクラブケースは、芝の上に寝せたクラブよりも遥かに目立つので、ホールアウト後、うっかりグリーン周りにクラブを置き忘れる可能性をほぼゼロにできます。
このように、スタンド式のクラブケースを利用することで、いろいろな面で恩恵を得ることができます。
おすすめの使い方
次なる疑問は、「もしもクラブケースを手に入れたとして、具体的にはどうやって使えばいいの?」という点です。
もちろん、クラブケースをどう活用するかはプレイヤーの自由ですが、忍三郎がご一緒する方々を見ていると、ケースの使い方は次の3つのパターンのうちどれかである場合が多いです。
パターン1:ウェッジ+パターを常に入れて使う
この使い方をしている人は多いです。実際、これが一番分かりやすい使い方かなと思います。
これはたとえば、飛距離100ヤード以内のすべてのクラブ、つまりウェッジ数本とパターを常にケースに入れておき、グリーンまでの距離が残り100ヤード以内になったらところでクラブケースを手に取り、そのままカップインまでプレーする、という具合です。
この使い方の良いところは、ケース内のクラブを入れ替える必要が無いことです。ホールアウト後、カートに戻った時には、さっと元の位置にケースを掛けるだけで、カートへ乗り込むことができます。
一方、この使い方のデメリットは、ある程度グリーンに近付くまではケースの出番が無いことです。距離のあるセカンドショットなどは、数本のクラブを手に持ってボールへと向かうことになります。
パターン2:使いそうなクラブを入れ替えながら使う
もうひとつのよくあるパターンは、ショットの度に、使いそうなクラブをケースに数本入れるという方法です。
ケースを使わない場合に、毎回数本のクラブを腕に抱えてボールの場所まで向かう方が多いと思いますが、この「クラブを運ぶ作業」を楽にする、という考え方になります。
この使い方のデメリットは、ショットのたびにケースの中のクラブをガチャガチャと入れ替える必要がある点です。
パターン3:二つのパターンのいいとこ取りで使う
上の二つのパターンの両方を兼ねるという使い方もあります。
例えば、ウェッジ2本とパターをいつもケースに入れておいて、残りのスペースで1打ごとにクラブを入れ替える、というやり方です。
この使い方で行く場合、一般的なサイズのクラブケースだと、毎回のショットで「使うかもしれないクラブ」として入れ替えられるのは最大で2~3本なので、やってやれないことはありません。
この方法の便利なところは、セカンドショットでグリーンオンもしくはその近くまで行ったと確信できた時に、そのまま歩いてホールアウトまでプレーする選択肢も出てくることです。(ケースの中にはウェッジとパターがあるわけですからね。)
もしもカートが自分から遠いところにある場合などにはかなりの時間を節約でき、組全体のプレーファストに貢献できます。
しかし、この方法にもデメリットはあります。
まず、パターン2のと同じように、頻繁にクラブを入れ替えなければならない面倒さがあります。
また、入れ替え可能な本数が限られているので、「セカンドショット用に差した2本がどちらも違っていた」とか、「グリーンが近いと思いきや、もう一つ大きいウェッジが必要だった」などという悲しいパターンに陥らないように気を付けないといけません。
ちなみに忍三郎は、総合的に考えて、自分にはこの「パターン3」が一番合っている方法だと思っています。
タオルと予備ボールを備えておくと更に便利
どのパターンにも共通することとして、クラブケースにタオルと予備ボールを備えておくと、更にプレーの快適性が増します。
クラブケースに予備ボールが入っていれば、不意のボールロストにも対応できるので、ボールホルダーを腰のベルトループにぶら下げてプレーする必要がなくなります。(レーザー式の距離計を使われる方は、ボールに加えて距離計もクラブケースに収納しておけば、さらに身軽になります。)
また、カラビナ付きのタオルをケースに吊り下げておくことで、ショット後にクラブの汚れをさっと取ったり、グリーンで拾い上げたボールをさっと拭いたりすることができます。忍三郎の体験上、これがすごく助かります。
この道具の具体的な使い方を想像することで、「スタンド式のクラブケースを上手に活用することでプレーのスピードを上げつつ快適にプレーできる」ということがハッキリと分かりますね。
注意すべき点
とても役に立つスタンド式クラブケースですが、使用する上で注意すべき点もいくつかあります。
自分で手荷物として管理するつもりで
近年、クラブケースの利用者は増加傾向と言われていますが、ゴルフ場の立場からすれば、お客さんの持ってくるバッグの数が増えていることになります。単純に、ゴルフ場側の苦労が多くなっているわけです。
そういうこともあり、ゴルフによっては、「クラブケースの管理は各プレイヤーの自己責任ですよ、ゴルフ場としては関与しませんよ」という方針を明言しているところも多くあります。
逆に、ゴルフ場側でクラブケースも扱ってくれる場合もありますが、ゴルフ場からすれば面倒事であることには変わりありません。
忍三郎は、トラブルを未然に防ぐために、キャディバッグを車から降ろす際には「クラブケースは自分で運びます」と伝えるようにしています。(もちろん、かえってゴルフ場の迷惑にならないようであれば、です。臨機応変に考えるように心がけています。)
プレイヤー側の心構えとして、クラブケースを使う場合、その管理は自分の責任だと思っておくことが大切だと思います。
ネームプレートを付ける
上述のように、ゴルフ場によっては、キャディバッグと一緒にクラブケースも扱ってくれる場合があります。
それに、ラウンド中にカートから落下するなどして紛失してしまう可能性も無いとは限りません。
そういう場合への備えとして、キャディバッグと同じように、クラブケースにもネームプレートを付けておきましょう。
グリーンやカラー、カートを傷つけない
スタンド式のクラブケースは、絶対にグリーンやカラーの上に立ててはいけません。
グリーンの芝が傷つくと、ゴルフ場や他プレイヤーに大きな迷惑がかかってしまいますので、これは特に大切な注意点です。
カート移動時にも注意が必要です。
カードでの移動中、ケースはカート上の邪魔になりにくいところに引っ掛けておくことになりますが、ケースを引っ掛ける場所として代表的なのは、カート後部のカゴの側面です。
しかし、この部分が簡単に変形してしまうような弱いカゴの場合があります。
「あまり強度のなさそうなカゴだな」と思った場合は、クラブケースはそこには掛けず、後方のバッグを固定しているフレームなど、丈夫な箇所に引っ掛けるようにしましょう。
使用禁止のゴルフ場がある
実際にグリーンやカートが傷つく被害にあったり、クラブケースが原因のトラブルが増えたことなどを理由に、スタンド式クラブケースの使用を禁止しているゴルフ場もあります。
そのようなゴルフ場では、ケースの使用は諦めましょう。
キャディ帯同の時は使用を控える方がベター
基本的に、「クラブケースはセルフプレーのための道具だ」と考えるべきです。
キャディさんは、プレイヤーの使うクラブを受け渡したり、その合間でショット後のクラブの汚れを取ったりと、快適なプレーのためのサポートをしてくれるわけですが、プレイヤーがクラブケースを使い、クラブがあちこちにバラバラに差さっていると、ただでさえ慌ただしいキャディさんの仕事がもっと大変になってしまいます。
キャディさんに帯同してもらうラウンドの時は、クラブケースは持ち込まず、クラブの出し入れはキャディさんにお任せする方がスマートだと思います。(忍三郎は、キャディさんに付いてもらってゴルフをしたことなど数回しかありませんが・・・)
ここまでに見てきた注意点を一言でまとめるならば、「スタンド式のクラブケースは便利な道具ですが、ゴルフ場や他のプレイヤーの迷惑にならないよう、節度を守って使いましょう」ということに尽きると思います。
おすすめのスタンド式クラブケース
最後に、忍三郎の独断と偏見による、「カッコよくておすすめのスタンド式クラブケース」を4つほどご紹介したいと思います。
スタンド式クラブケースは、使用素材やディテール、ブランドそのものの認知度などによって価格の幅はありますが、忍三郎の知る限り、それらの間で使用感や利便性の面で圧倒的というほどの差はありません。
(価格帯を大きく外れるような安価なものでない限りは…)
そこで、ここでは「デザイン」に注目したいと思います。
4つの製品に共通するおすすめポイントは、「シンプルだけど見栄えのするデザイン」です。
ここで紹介するものは、どれも5~6本まで入るサイズで、小物を収納するポケット付きのものです。もちろん、サイズはクラブの寸法による部分もありますのでご注意を。
NEW ERA
ベースボールキャップでおなじみのニューエラが、実はキャディバッグやスタンド式クラブケースなどのゴルフ用品も展開しています。
このクラブケースは、ブラック地にホワイト、ゴールドもしくは迷彩柄でマークと文字でロゴが入っていて、派手過ぎないながらも、しっかりインパクトのあるデザインです。
DESCENTE GOLF
デサントゴルフからも、単色+側面ロゴのシンプルなデザインのクラブケースが出されています。
シックなブラックやネイビーはもちろんですが、上の写真のブルーや、ホワイトのはっきりとした発色も捨てがたいなと思います。
TOMMY HILFIGER
トミー・ヒルフィガーのクラブケースは、デザインをガチャガチャさせず、綺麗なカラーリングで主張している点が忍三郎的高評価ポイントです。
トミーっぽさを全面に出すならトリコロール、落ち着いた感じを出すならネイビー、他の人と被りにくい個性的なカラーを好むならイエローかグリーンを選びたいです。
BRIEFING
最後は、機能美のある製品で人気を誇る、ブリーフィングのクラブケースです。
ブリーフィングのナイロン製品は強度・軽さなどの実用面で抜群のクオリティがありながら、素材の質感は安っぽくなく、ワイルドさと上品さを同時に兼ね備えています。
忍三郎がブリーフィング信者であることを差し引いても、格好良いデザインと言っていいと思います。
クラブを差す部分が、「パター」と「その他」で2口に分かれる形になっている点が、他のクラブケースにあまり見られない特徴です。
値段が他のものより高いところが気になりますが、とても高機能なナイロンを素材に使用しているので、品質に相応の価格かなと思います。
この商品は、Amazonや楽天でも入手できますが、BRIEFING公式サイト上だとカラーの選択肢がものすごく多いです。
いかがだったでしょうか。
皆さんもぜひ一度、スタンド式クラブケースをお試しあれ!